15日目~二度目の峠
11/2(金)
母が倒れてから二週間、
二度目の峠も朝でした。
父から「先生から今夜が峠と言われた」と。
その報せに、取るものも取らず病院へと向かいました。
先生の診察によると
・血圧は安定している
・酸素、肺、心拍数の低下
・脳がダメージを受けている
・明日まで保つかどうか……
とのことでした。
頭では理解出来ていたつもりでも、
何処かで「このまま助かるのでは」と思っていました。
瞬き一つ、
指一本動かせなくても、
母はこのまま生きてくれる……と。
とても烏滸がましいのですが
母も「生きようとしている」と思っていました。
倒れた当日の峠を乗り越え、
気管切開、容体安定と、
家族と「生きよう」としてくれているように見えたのです。
私達がそう思いたいだけかもしれない。
或いは、母の生命力が強かったのかも。
15時
昨日、帰京したばかりの妹が
危篤の報せにトンボ帰りしてきました。
不思議なことで
足をマッサージしたりしている内に
母の容体が落ち着いてきたのです。
「私が帰ったもんだから、拗ねて困らせたいんだね」
やっぱり明るく笑った妹の笑顔、逞しさに
どれほど救われたことでしょう。
妹は看護師のスキルを余すことなく発揮して
何よりの親孝行をしたのです。